大腸がんを防ぐ生活習慣改善のポイント

更新日 2021年12月01日

大腸がんを防ぐ生活習慣改善のポイント

精密検査の結果、大腸がんではなかった方も、大腸の内壁などに異常が起こりかけているおそれはあります。以下のポイントを参考に、これからも大腸がんの予防にとり組みましょう。

偏った食生活を改善し、節酒、禁煙を

偏った食生活を改善し、節酒、禁煙を

大腸がんの発生には、毎日の食生活が大きくかかわっています。肥満にならないように栄養バランスに気をつけるとともに、食物繊維やカルシウムを多くとったり、加工肉や赤肉をとり過ぎないなど、食生活を改善しましょう。
また、飲酒はがんになるリスクを確実に上げるので、節酒をしましょう。たばこもリスク要因ですので、喫煙者はぜひ禁煙を。

食生活の改善ポイント

  • 牛乳・乳製品などを十分にとり、カルシウムを多くとるようにする。

  • 高エネルギーの食品をとり過ぎない(肥満に注意する)。

  • 野菜やきのこ類など、食物繊維を多く含む食材をとる。

  • ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉や牛・豚・羊などの赤肉をとり過ぎない。

運動不足を解消する

運動不足を解消する

大腸がんは運動による予防効果が期待できます。ウォーキングやジョギングなどで体を動かす、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うなど、日常生活で運動する機会を意識的に増やし、習慣にしていきましょう。

定期的に大腸がん検診を受ける

定期的に大腸がん検診を受ける

今回異常がなかったとしても、今後がんになる可能性があります。早期がんのうちに見つけるためには、来年以降も定期的に検診を受けることが大切です。

大腸がん検診での「要精検」とは?

「要精検」とは?

検診で便潜血反応が(+)陽性となった場合が「要精検(要精密検査)」です。「要精検」の判定が出た場合はさらに精密検査を受けて、大腸がんなのか他の病気なのかなどを詳しく調べる必要があります。

精密検査は保険適用で受けられます

大腸がんの精密検査を受けられる主な受診科は、内科、消化器内科などです。精密検査は今回の結果を持参すれば保険適用で受けられます。

大腸がん以外にみつかる可能性があるおもな病気

  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • 痔 など

早期がんのうちに発見・対処することが大切!

精密検査は早期発見・早期治療のチャンス!

がん細胞の成長の目安。がん細胞が発生し数年~数十年で1㎝になり、1~数年で早期がんとなり、検診で発見できる大きさになる。早期がんのうちに発見できるのは限られた期間です。2cmからがんが進行していき、進行がんとなります。
  • 医療の進歩により、大腸がんは早期に発見すれば、ほぼ確実に治すことができます。また、精密検査で見つかった大腸ポリープなどを切除することにより、大腸がんの予防にもつながります。
  • 早期がんのうちに発見・対処できれば、治療による体への負担や、かかる時間や費用も少なくてすみます。「要精検」と判定されたら早めに、必ず受診しましょう。

大腸がん検診・精密検査の流れ

大腸がん検診・精密検査の流れ。大腸がん検診では問診と便潜血検査を行い、がんの疑いなしの場合は今後も定期的な検診受診を、がんの疑いありの場合は要精検となります。精密検査では全大腸内視鏡検査、注腸造影検査などを行い、大腸がんと診断されたらがんの治療へ。異常なしまたは良性の病変と診断されたら今後も定期的な検診受診をしてください。

※良性の病変と診断された場合には、主治医の指示に従ってください。
(厚生労働省、国立がん情報サービス、日本医師会資料などを元に作成)

精密検査の検査内容(検査機関により異なる場合があります)

全大腸内視鏡検査

全大腸内視鏡検査
  • 肛門から内視鏡を入れ、直腸から盲腸までの大腸の内部を内視鏡で直接観察して異常がないかを調べます。
  • 検査前に大腸内をきれいにするために、下剤を飲むなどの事前処置が必要になります。

注腸造影検査

注腸造影検査
  • 肛門からバリウムと空気を入れて腸管を造影し、X線写真によって、がんやポリープなどの突起、潰瘍などのくぼみがないか調べます。
  • 前日から大腸内をきれいにする事前準備や、検査後のバリウム排出などが必要です。

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